2014/12/16

小児患者の術後嘔吐(POV)発生を予測するリスクスコアの作成と検証。

Development and validation of a risk score to predict the probability of postoperative vomiting in pediatric patients: the VPOP score
Nathalie Bourdaud, et al. Pediatric Anesthesia 2014;24(9);945-952


成人患者のPONVリスク因子に関しては、過去の研究からいくつかのスコアが考案されている。
小児に関する研究は限られており、今研究は新しいPOV risk scoreを作成することを目的としている。
今研究はフランスで行われた多施設前向き研究で、2211人の小児(0-16歳)が対象となった。
術前の絶飲食期間は均一化され、患者のcharacter、前投薬・麻酔方法、術後鎮痛などが記録された。1次エンドポイントは術後24時間以内の嘔吐とした。
全体でのPOV発生率は24%であった。5つの独立したPOVリスク因子があり、そのodds比は…
・3-6歳、13歳以上では2.46(95%信頼区間2.13-4.1)、6-13歳では3.09(2.24-5.52)
・長い麻酔時間 1.44(1.06-196)
・POVリスクのある手術 2.13(1.49-3.06)
・POV素因(既往や家族歴など) 1.81(1.43-2.31)
・multiple opioids doses 2.76(2.06-3.70)
これらの因子からスコアを作成し、以前のもの(POVOC score)と比較したが、AUC0.73 vs 0.66とより良好な結果であった。

【memo】
成人の場合のPONV発生リスク因子は、以下のものが挙げられる。
患者因子:女性、非喫煙者、PONV/動揺病(=乗り物酔い)の既往
麻酔因子:揮発性麻酔薬や亜酸化窒素の使用、術中・術後のオピオイドの使用、ネオスチグミンの大量投与(2.5mg以上)
手術因子:手術時間、手術の種類
ちなみに今研究では、AOS/TIVA間には有意差がなかったよう。小児ではあまり麻酔法は関係ない?

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