2014/12/04

敗血症性ショック患者の血行動態と臨床転機に及ぼすエスモロールによる心拍数コントロールの影響。

Effect of Heart Rate Control With Esmorol o Hemodynamic and Clinical Outcomes in Patients With Septic Shock: A Randomized Clinical Trial.
Morelli A, et al. JAMA 2013;310(16);1683-1691


ノルエピネフリンが必要となるような敗血症性ショック患者を対象とした、オープンラベル無作為化第2相研究。
154名の患者が対象となり、77名はエスモロールを用いてHR80-94bpmに保たれ、他の77名は通常の治療が行われた。
エスモロール群では、ノルエピネフリン投与量を減らせたにも関わらず、MAPは維持できた。
SVI, SVRI, PVRI, 左室仕事量のAUC中央値はエスモロール群で有意に上昇し、必要輸液量のAUC中央値はエスモロール群で有意に低かった。
28日死亡率、ICU滞在期間死亡率、入院中死亡率は、エスモロール群で・通常治療群で49.4%vs80.5%、57.1%vs88.3%、67.5%vs90.9%であった。
どのようなメカニズムで死亡率が改善するのかは、今研究では解明できなかった。


【memo】
超短時間作用型β-blockerでrate controlすることで、ノルエピネフリンの投与量を減らしたり、死亡率が改善したよ、という内容の論文。
心拍数が低下することで心筋の仕事量が減り、それに伴い心筋酸素需要も低下すること、心筋がしっかり拡張できるようになり左室充満圧が上昇し、心筋への酸素運搬が改善することなどが考えられる。
大きな副作用もなく使用できるのなら、機会があれば使用してみたい。使ってみて不具合が起こっても、半減期がすごく短いから、中止したらすぐに元の状態に戻ってくれると思うし。

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