2016/10/08

スタイレットを引き抜く力と術後咽頭痛の関係。

Correlation between extraction force during tracheal intubation stylet removal and postoperative sore throat.
Tomohiro Kusunoki, et al. Journal of Clinical Anesthesia 2016;33;37-40


気管挿管時のスタイレット抜去の術後咽頭痛への影響について調べられた、前向きコホート研究。
チューブはPortex SoftSealを使用し、カフ圧は20cmH2Oで維持されている。
待機手術50例が対象。麻酔方法はプロトコール通りに施行。
スタイレットを引く抜く際の力を測定。術翌日に麻酔科医が咽頭痛について聴取。
全症例で1回で挿管に成功している。
9/50例(18%)で咽頭痛が生じている。
ROC曲線におけるAUC=0.894であった。
咽頭痛が生じた群におけるカットオフ値は10.3N(感度89%、特異度83%)であった。
気管挿管の術後咽頭痛はスタイレット抜去時にかかる力の増加と有意に関係していた。
スタイレット抜去の際は不必要な力は避けるべきである。
今研究の限界:単施設、単独麻酔科医での調査、nが少ない


【memo】
ものすごい勢いでスタイレットを引き抜いてくれる介助者がいるので、もっと丁寧に行うよう諭したほうが良さそうである。
術後咽頭痛の危険因子は以下のとおり
・気管チューブサイズ
・カフの潤滑(局所麻酔薬・ステロイドジェル)
・カフ圧
・複数回の挿管手技
・女性

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