2015/12/13

心臓手術中のセボフルランとプロポフォールの心臓保護効果のメタアナリシス。

Meta-analysis of the cardioprotective effect of sevoflurane versus propofol during cardiac surgery.
Feng Li and Yuan Yuan. BMC Anesthesiology 2015;15;128


心臓保護効果を考える上で、揮発性吸入麻酔薬と静脈麻酔薬、どちらの麻酔薬がより好ましいのかは議論の残るところである。
今研究ではセボフルランとプロポフォールの心臓保護効果について、メタアナリシスを行っている。
MEDLINE、Cochrane Library, EMBASEから最終的に15のRCTがpick upされている。
各々の研究の質、異質性を評価したうえでメタアナリシスを実施している。
術後CI、術後24時間CI、CO、24時間cTnⅠ、強心薬・血管収縮薬の使用、ICU滞在期間、Af発生率について、セボフルラン群で優位な結果が得られた。
術後12時間CO、人工呼吸器管理期間、在院期間、心筋梗塞発生率、死亡率に関しては両群間で有意差はなかった。
英語で書かれた文献のみを対象としているため言語の制約がある、サンプルサイズが小さい、手術・医療水準が一定ではない、いくつかの指標で異質性が認められるといったlimitationが存在する。



【memo】
心臓を守るには何麻酔が良いのか悩むところではあるけど、セボフルランで良さそうな結果である。
吸入麻酔薬は抗炎症作用があるとする文献がたくさんあるし、その抗炎症作用がこの結果につながっている可能性はある。
今回の研究では、on/off-pump CABGとAVRを受けた患者群が対象となっているようだけど、AVRになった原因やらCPB時間などについては言及がなされていなかった点は気になるところではある。

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